葉山レポート

2021/11/05

「葉山メダカの会」会報11月号/NO.185

メダカを愛でる、育む

会の小冊子「葉山のメダカ」は、来年春の発行を目指して、目下改訂作業中を行っています。
小冊子でメダカの飼育方法を紹介するために、実際に会員の方が行っている飼育方法を参考にさせていただくため、お宅を訪ねることがあります。池や水槽などを見せていただき、お話を聞くのですが、どのお宅にいっても感じるのは、会員のメダカを愛する心です。

一般家庭での飼育ですので、もちろん人工の飼育環境ではありますが、きわめて自然に近い環境を作ってもらっていて、メダカにとっては最高の住まいです。そんな住環境を用意するには、長い時間と努力の積み重ねがあったはずです。それは会員のメダカを愛する心があるからこそ作りあげられたのでしょう。

会の目的は、クロメダカの保護と増殖活動で、会員はそのために個々に尽力をしています。失敗や試行錯誤を繰り返しながら、メダカにとってより暮らしやすく(保護)、家族を増やしやすい(増殖)飼育を目指しています。
私自身も飼育を始めた当初は、メダカを短命にしてしまうことが多く、反省と次への工夫を繰り返しました。

他の会員の飼育を見せていただく中で、メダカにとっての最高の成育環境は「自然に近くて、できるだけ天敵から守って、そしてわたしたちをあまりかまいすぎないでね」というものだと気づきました。かまいすぎずに整え、維持をするのは容易ではありません。しかし、その手間暇をかけることがメダカへの愛情です。あるお宅のメダカは、それまでに見てきた中でも特にいきいきとして見えました。メダカがいきいきとして見えるなんて、初めてのことです。自分たちの住処を自慢しているかのように感じました。

会員宅のメダカは、それぞれの飼育環境や方法の中で快適に暮らしています。近頃は急に気温が下がって、初冬のような寒さを感じることもあり、メダカもそろそろ動きを休める頃になりました。会員の温かな愛情に守られて、また来年の春に元気に動く姿を見せてくれるでしょう。

「葉山メダカの会」会報11月号/NO.185より抜粋