町指定

彫刻

62  一色玉蔵院 木造虚空蔵菩薩坐像

いっしきぎょくぞういん もくぞうこくうぼさつざぞう

一色玉蔵院 木造虚空蔵菩薩坐像
像高 / 面長 / 頂~顎
31.9cm / 6.4cm / 13.4cm
面巾 / 耳張 / 面奥
6.0cm / 7.2cm / 7.6cm
腎張 / 袖張 / 胸厚
17.9cm / 24.5cm / 9.3cm
腹厚 / 膝張 / 膝奥
10.7cm / 20.7cm / 18.2cm
像奥
21.1cm

頭頂に八角宝冠を戴き、柄衣・裳をまとい、両腕を屈臂し右手に宝剣を執り左手の掌に蓮華を戴く。右脚を前にして結跏趺坐するが足先はすべて衣で覆われる。
寄木造で彫眼、肉身部を金泥、着衣部を褐色漆塗りとするが、この塗りは近時のものである。構造は本体が台座からはずせないため確認しづらいが、頭体幹部を通して耳後を通る線で前後に矧ぎ、内刳りして割首、これに両体側部、脚部横材、両袖口部、両手首を別に矧ぎ付けるものと思われる。

柄衣をまとって坐す形姿の像で、その袖・裾先が切り落とされたような形で終わっており、元来の形は袖・裾先を台座の下方に垂らす法衣垂下形式の像であったと思われる。こうした形姿の像は鎌倉地方を中心に分布していて、いわゆる宋風彫刻と呼ばれるものの一典型で、鎌倉後期以降、中世期に多くの作例がつくられた。
本像は、表面の厚い後補塗りのため、やや尊容を損なっているが、量感のある体形、大振な衣文のさばき、頭部の髪際や耳の形など室町期の特徴を示しており、ややかたい彫技から16世紀頃の造立を思わせる。鎌倉地方の一角を占める葉山の地に相応しい作例といえ、おそらく法衣垂下像である点も合わせ、小像ながら、看過出来ない存在である。なお、後補の台座の底部に江戸期の修理墨書がある。

参考:葉山の文化財

分類/区分 町指定文化財第45号-3 有形文化財 彫刻
所在地 一色2154
所有者等 玉蔵院
指定年月日 平成 8年 4月 1日
年代 16世紀頃
員数 1躯