町指定

文書

47 伊東家文書

いとうけもんじょ

伊東家文書
概要
伊東家は木古庭村の名主を代々つとめた家で、なかでも伊東春義氏は、名主役に 引き続き、戸長、そして初代葉山町長を勤めたことで知られる。そのため木古庭村だけでなく、近隣の村々との関係を示す史料が天正9年から昭和時代まで約 3,000 点も残されており、三浦半島内でも屈指の資料群を今日まで伝えている。 この中に3通の中世文書が存在する。いずれも部分的な破損箇所がみられ、後に 表装が施された際に切り詰められているが、文字の判読に影響はなく、保存状態は おおむね良好である。

  • (1)北条氏規朱印状 形状 縦 14.1×横 37.7 ㎝ 楮紙
    天正 9 年(1581 年)に伊豆韮山城・上野館林城及び相模三崎城の城主北条氏規が 発給した朱印状である。戦国期木古庭郷の領主宮下弥四郎と百姓をめぐる闕落(かけおち)に関わる史料であり、地元木古庭郷での様相が知られる点で非常に重要である。
  • (2)北条氏定書 形状 縦 30.5×横 40.7 ㎝ 楮紙
    豊臣政権との対決を前にした天正 15 年(1587 年)7 月に、北条氏が領国内に発給 した虎朱印状で、軍事動員史料として位置づけられており、三浦半島地域が北条領国の軍事動員体制の一環に組み込まれつつある様子を語る点で貴重である。
  • (3)北条氏政掟書 形状 縦 30.5×横 39.7 ㎝ 楮紙
    本史料は年欠であるが、北条氏の当主氏直が出陣で留守中に、隠居である北条氏 政の個人印により発給された朱印状である。木古庭郷の小代官と百姓中にあてられた軍事動員史料であり、地域の軍事動員システムがうかがえる重要な史料の一つである。 3通の中世文書は、いずれも葉山の木古庭郷に直接関わる史料であり、町にとって重要であるだけでなく、広く日本史という視点からも遜色ない史料である。
伊東家文書

伊東家文書

分類/区分 町指定文化財第34号 有形文化財 文書
所在地 神奈川県立公文書館(神奈川県旭区中尾1-6-1)に寄託
所有者等 個人
指定年月日 昭和 55年 9月 18日
追加指定年月日 平成 27年 4月 1日